重たい女歴31年のわたしが色々書くブログ

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グンナイ(Good Night)の思い出

父方の祖父が他界してもう10年程になる。

土井さんを除いては、祖父はわたしが最も信頼、尊敬、愛する人物だったし、それは今でも変わらない。

わたしが祖父の孫として生まれたことは運命だと思っているし、よく聞く「ソウルメイト」なのかなとも思っている。

祖母には悪いけれど、多分わたしたちはいつかどこかですごく強い結びつきがあったんだろうなとも思っている。

 

祖父は生前、ちょっとミーハーな感じの人だった。

幼少の頃はよく、わたしにコーヒー牛乳を作ってくれたが、味見を何回もして「うんうん、これは完璧だ、これは特別だ、良いやつだ」と毎回言ったものだ。

両親がイトーヨーカ堂で買ったなんてことない股引も「おお、これは良いやつだ、生地が違う、うんうん」と何故か特別視した。

 

わたしが幼稚園の年中を終えた頃、団地の抽選*1に当たったため、祖父母のもとを離れて近隣の市へ引っ越すことになった。

その後は月に一回くらい、祖父母のところを訪れていたが、わたしと弟が大きくなるにつれ、数カ月に一回、半年に一回、盆暮れ正月だけ、とだんだん足が遠のいていってしまった。

それでも一番好きな人は祖父だった。

 

わたしが就活をして、ようやっと内定した時、真っ先に電話をしたのは祖父だった。

その後まもなくガンを患い、入退院を繰り返していたが、電話口では元気そうな素振りを見せるのが常だった。

祖父の数年に渡る闘病生活の中、わたしはたった一回だけしかお見舞いに出向かなかった。

祖父が亡くなった日はデートにうつつを抜かしていた。

お骨上げの時は足の弱った祖母を介助していたので、かけらの一部しか見ていない。

 

そんな祖父の数ある口癖の1つが「グンナイ」である。

わたしは「おやすみ」じゃなくて「グンナイ」で育った。

 

そしてわたしは今、一応英語圏に住んでいる。

といっても英語の授業で習うようなきれいな英語の国ではない。結構なまっていて、英語が得意で来る人でも戸惑うくらいだ。

ローカルの人の夜の挨拶は「Good Evening」でも「Good Night」でもなく「グンナイ」という。

わたしも相手には「グンナイ」と言う。

 

そのまんま祖父が言っていたそれである。

 

きれいな英語を話す人々や、わたしのへんてこな英語に慣れている土井さんも「グンナイ」と言っていた。

大好きな祖父と大好きな土井さんが重なる。

そして大好きな二人の「グンナイ」はもう聞くことができない。

 

このところ夜は静かすぎて、わざと音を立てたり、独り言を言ったり、好きでもない音楽をかけたりしているけど、眠れないながらも眠りに入る時は、彼らの「グンナイ」をふと思い出す。

 

 

 

*1:団地の抽選なんて今の人知らないかもしれないですね。昔は公団に入居するのに抽選だったんですよね。今も一部やっているのでしょうか?